「魚を食べると頭が良くなる」と言われていますが、本当なのでしょうか?私は魚が大好きなのでよく食べますが、頭が良くなるのであれば一石二鳥でうれしいものです。でも、あまり根拠となるような話を聞いたことがありません…
そこで今回、世界の研究報告を調べてみました。4件の研究結果から、魚を食べるメリットをご紹介します。
魚を食べると頭が良くなると言われ始めたきっかけは?


日本人って魚食べると頭良くなるっていうよね!
なんでだろう?



確かに刷り込まれている気がするね!
ちょっとネットで調べてみよう!
そもそも、なぜ魚を食べると頭が良くなると思ってしまうのでしょうか?
スーパーの鮮魚コーナーなどで、おさかな天国という曲に聴き覚えはありませんか?「サカナ サカナ サカナ サカナを食べると♪ アタマ アタマ アタマ アタマが良くなる♪~」という曲です(リンクをクリックすると曲が聴けます♪)。
この曲は、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)がキャンペーンソングとして作った曲で、鮮魚コーナーなどを通るときにこの曲が流れていると、頭も良くなるなら魚料理を作ろうかな?と思わせるようなすばらしい名曲です。また、健康を啓発するようなテレビ番組などでも、「魚のDHAなどが頭をよくする」というような紹介がされていたりと、周囲から自然と情報が入っていたと思います。
おそらく、このような周囲の情報から「魚=頭が良くなる」というイメージが根付いたのではないでしょうか?
魚を食べると頭がよくなると言われた理由とは?
皆さんは「DHA」という言葉に聞き覚えはないでしょうか?不飽和脂肪酸の一つであるDHA(ドコサヘキサエン酸)」は、人間の脳や神経細胞に多く存在しています。そのため、人間の脳や神経細胞にDHAが多く存在するなら、DHAを摂取することで脳が活性化して記憶力や思考力を高まるのでは?と考えられました。魚はこのDHAを多く含むことから、魚を食べるとDHAが摂取できるので、頭も良くなるだろうとのシンプルな発想です。
日本でDHAが注目されたきっかけと、名曲「おさかな天国」の誕生!
おさかな天国が発表される少し前、1980年代後半は日本人の魚離れが深刻でした。水産関係者は非常に悩んでいた時期でもあります。そこに、英国人脳栄養学者のマイケル・クロフォード博士が、1989 年の著書で「日本の子供の知能が欧米の子供と比べて高いのは魚を多く食べてきたから」と発表しました。これに目をつけたのが水産庁の職員で、魚を食べると頭がよくなるというキーワードを元におさかな天国をつくり、キャンペーンソングという斬新な方法でPRを行いヒットしました。



なるほど、日本人の魚消費量を増やすためにPRされた結果、徐々に刷り込まれたのか!



前から思っていたけど、本当に頭よくなるのかな?
あんまり根拠を聞いたことないからなぁ~
世界の研究結果を調べてみるか!



えっ!そんなことわかるの?
魚を食べると本当に頭が良くなるの?世界の研究を見てみよう!
魚を食べてDHAを摂取できると頭に良くしそうな気はするけど、本当に効果はあるのでしょうか?世界の研究結果をもとに、胎児から高齢者までに魚を食べる利点を一部ですがまとめてみました。
妊娠初期に魚を食べると子どもの認知機能が高まり発達障害になりにくい(スペイン)


2020年のスペイン バルセロナグローバルヘルス研究所の報告では、スペインの妊娠した女性約2600人に対して、妊娠時の魚類の摂取量を調整してテストを実施。最終的に、胎児から8歳まで成長した約1600人のデータで研究されました。
12週目までの妊娠初期に魚類を食べることで、胎児が成長した8歳時のテストにおいて認知機能(理解・判断・論理などの知的機能)が向上することが報告されました。一方、妊娠後期(28~32週目)で魚類を食べても効果は低いとの結果でした。
研究者は、妊娠中に魚類を食べることで、魚に含まれるDHAが脳の構造と機能を構成し、後々に子どもの神経心理学的発達に影響すると考えているようです。また、神経伝達物質はDHAの影響を受けることがわかっているため、発達障害などにも影響するとも考えられています。
つまり、12週目までの妊娠初期に魚類を食べると、子どもの認知機能が向上するということのようです。
【引用】バルセロナグローバルヘルス研究所の研究報告
Jordi Julvez, Sílvia Fernández-Barrés, Florence Gignac, Mónica López-Vicente, Mariona Bustamante, Raquel Garcia-Esteban, Jesús Vioque, Sabrina Llop, Ferran Ballester, Ana Fernández-Somoano, Adonina Tardón, Martine Vrijheid, Cathryn Tonne, Jesus Ibarluzea, Amaia Irazabal, Nuria Sebastian-Galles, Miguel Burgaleta, Dora Romaguera, Jordi Sunyer, Maternal seafood consumption during pregnancy and child attention outcomes: a cohort study with gene effect modification by PUFA-related genes, International Journal of Epidemiology, Volume 49, Issue 2, April 2020, Pages 559–571, https://doi.org/10.1093/ije/dyz197
日本でも妊娠中に魚を食べると子どもの神経発達が向上することが調査された(日本)


日本でもエコチル調査(環境省が始めた国家プロジェクト)において、約82,000人のお母さんの妊娠中の魚の摂取量と、産まれたお子さんの発達が調査されました。
その結果、「生後6か月での手順を考えて行動するなどの問題解決」、「生後1歳での指先で物をつかむなどの微細運動と問題解決」において発達が遅れにくいとの結果が出ています。妊娠中の魚摂取は、6か月と1歳時のいくつかの神経発達領域の遅れを抑える傾向にあり、要因には魚に含まれる多価不飽和脂肪酸(DHAやEPA)が関係していると考えられています。
【引用】妊娠中のお母さんの魚摂取と生まれた子の発達の関係(エコチル調査でわかったこと)
Kei Hamazaki, Kenta Matsumura, Akiko Tsuchida, Haruka Kasamatsu, Tomomi Tanaka, Mika Ito, Hidekuni Inadera, Japan Environment and Children’s Study Group, Maternal dietary intake of fish and PUFAs and child neurodevelopment at 6 months and 1 year of age: a nationwide birth cohort—the Japan Environment and Children’s Study (JECS), The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 112, Issue 5, November 2020, Pages 1295–1303, https://doi.org/10.1093/ajcn/nqaa190
子どもが魚を食べると睡眠の質が向上しIQが向上する(中国)


アメリカのペンシルベニア大学看護医学部の報告では、中国の541人の小学生で調査されました。魚の摂取量と睡眠の質は9〜11歳で評価、IQ(知能指数)は12歳で評価されました。その結果、月に2回未満の魚を全く食べていない子どもに対し、週に1回以上魚を食べる子どもにおいてIQが高い傾向にあることが確認されました。研究者は、魚を良く食べる子どもは夜中に覚醒するような睡眠障害が少なく、それが子供の長期的な認知機能の向上に良い影響を与えていると考えられています。
【引用】アメリカ ペンシルベニア大学看護医学部の研究報告
Liu, J., Cui, Y., Li, L. et al. The mediating role of sleep in the fish consumption – cognitive functioning relationship: a cohort study. Sci Rep 7, 17961 (2017). https://doi.org/10.1038/s41598-017-17520-w
魚を食べる高齢者はアルツハイマー病の影響を受けにくくなる(アメリカ)


アメリカの南カリフォルニア大学の研究報告では、認知障害のない67~88歳の男女61人で研究を実施。血中脂肪の中のDHA比率が高いと、脳の特定部位において脳の体積が維持されると報告しました。その部位は「記憶や学習を担う海馬(かいば)」と「事実と経験を保持する嗅内野(きゅうないや)」で、アルツハイマー病に深く関係する部分であり、アルツハイマー病の影響を受けにくくなると考えられています。
【引用】アメリカ 南カリフォルニア大学 医学部内分泌学科の研究報告
Yassine HN, Feng Q, Azizkhanian I, et al. Association of Serum Docosahexaenoic Acid With Cerebral Amyloidosis. JAMA Neurol. 2016;73(10):1208–1216. doi:10.1001/jamaneurol.2016.1924
https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2538230
- 12週目までの妊娠初期に魚類を食べると、子どもの認知機能が向上する
- 妊娠中の魚摂取は、6か月と1歳時のいくつかの神経発達領域の遅れを抑える傾向
- 週に1回以上魚を食べる子どもはIQが高い傾向にあり、睡眠の質が高く子供の長期的な認知機能を向上させる
- 血中のDHA比率が高いと脳の海馬や嗅内野の体積が維持され、アルツハイマー病の影響を受けにくくなる



すげぇ~…魚食べたら頭よくなって、しかもアルツハイマーの予防になるのか!俺たち凄いばい!!



魚は栄養バランスも良いし、最高みたいやね!
だけど、妊婦さんは魚を食べるときに少し注意が必要だよ!



魚は完璧やろ!ケチつけるんか!!



何事にもメリットとデメリットがあるもんばい!
妊娠中に食べる魚には注意が必要です!
魚を食べると良いことばかりのような気がしますが、魚にもデメリットがあります。デメリットがあるからと心配せず、しっかり理解して魚を食べることでお子さんの知育に繋がりますので、ぜひお読みください。
妊娠中に大型の魚を食べるのは控えましょう!


魚はメチル水銀を少なからず含んでいます。メチル水銀は自然界に広く存在しており、海中に存在するメチル水銀をプランクトンが吸収し、プランクトンを小魚が食べ、その小魚を大型の魚が食べ、最終的に私達人間がその魚を食べることによって、濃度が高まったメチル水銀を体内に取り込んでいます。食物連鎖の最上位にいる私達は、魚を食べることでメチル水銀を体内に取り込んでいるのです。
私達が魚を摂取して体内にメチル水銀を取り込んでも、通常は尿や便、髪の毛から体外に排出され、通常の食生活をしている限り心配する必要はありません※。しかし、妊婦さんは注意が必要です。胎児の発育は胎盤を通して母親から栄養が届けられますが、胎児はメチル水銀を排出できず、中枢神経系に影響を与え、注意力、言語、記憶などにおいて能力が低下する恐れがあるとされています。
※参照:食品から接種する水銀とその人体への影響とは?(内閣府 食品安全委員会)
どんな魚がメチル水銀を多く含んでいるの?
食物連鎖の上位にいる魚がメチル水銀を多く蓄積しています。メチル水銀の濃度が高い魚介類は、マグロ類(マグロ、カジキなど)、サメ類、深海魚類、鯨類(鯨、イルカ)などにほぼ限られ、それ以外の魚介類を控える必要はないとされています。
ただ、最初に紹介したバルセロナグローバルヘルス研究所の論文では、水銀のデメリットよりも魚を食べてDHAやEPAを摂取するほうが、総合的に得られるメリットが大きいと書かれていたりと、まだ明確に判断できないのが現状だと思います。そのため、個人的には中型以下の魚でも認知機能の向上が確認されている結果を考えると、リスクの高い大型の魚は食べずに中型以下の魚を適度に食べるのが良いと思います。
どんな魚が大丈夫?
メチル水銀量の含有量が少なく、気にせずに食べられる魚には「タイ、サバ、サケ、イワシ、ブリ、アジ、サンマ、カツオ、キハダ、メジマグロ」などがあります。これらを上手に食べることで、お子さんの頭は良くなるかも!?
詳しくは、「魚介類に含まれる水銀について(厚生労働省のページ)」でご確認ください。



大型じゃない俺らは大丈夫で安心したばい!



タイとかサバとかは全然気にせず食べられるばい!美味しいしね!!



やっぱり、魚ってほぼ完ぺきやん!みんな毎日食べてよ!



毎日かぁ~
正直言うと、魚料理は作るの少し面倒なんだよね…



面倒くさいだと!?
手軽に食べられる極上の魚料理「花菱の綿そぼろ」があります!


魚を食べると頭が良くなることは分かったけど、頻度を高めて食べるのは正直面倒です。そこで、ご紹介したいのが手軽に食べられる魚のそぼろです。私ども花菱では、究極のそぼろを作っております。魚のそぼろがあれば、朝ごはんなどで熱々のごはんにふりかけるだけ。妊娠中でも「簡単・時短・綿のようにふわふわで美味しい」ため、大変おすすめです。





これ、本当においしいとばい!



花菱のイチオシですので、ぜひご賞味ください!
花菱の究極のそぼろ
詳しくは下記の画像をクリックして、ぜひご覧ください。


登場する愉快な仲間たちの紹介